日々の色々・The colour of the sun

このブログは最近ぜんぜん更新していないですが、今年の2月からは別のサイトで同じようなテーマについて書いていますので、今回はそのブログを紹介したいと思います。

ブログは「日々の色々・The colour of the sun」という名称で、3人の友達でやっています。「しお」というニックネームで書いている僕と一緒に、イタリアから留学しに来た「しらふ」さん、韓国から来た日本の演劇について研究している「よん」さんもブログのエントリーを、当番で週に一本というペースで書いています。今までは5本の記事をアップしてきました。一人ひとりは別の興味を持っていますが、共通のテーマとしては「ズレた視点から見る日本」について書いています。

具体的に言うと、僕自身は「言語」や「翻訳」、「日本語と英語の違い」などについて興味を持って、しらふさんはジャーナリズムやメディア、よんさんは日本の文化、特に日本の演劇について中心しています。でも同じテーマについて別の視点から見ることも価値があるというわけで、一人ひとりのテーマは決まっていないです。

ブログの名前は鈴木孝夫氏(すずきたかお)という言語学者・評論家の「日本語と外国語」という本の中から取られている。鈴木さんは、言語の間の違いを注目するために、次の話を紹介する(p.38-39):

ある日のこと大学から戻った私に突然、家内が「英語で太陽の色は何色かしら」と言った。私が「そんなこと赤に決まっているじゃないか」と答えると、「そうでしょう、でもうまく合わないのよ」と、新聞のクロスワード・パズルを持って来た。


太陽の色(The color of the sun)というヒントに従って赤(red)を入れると、文字欄が三つ余ってしまうというのだ。私が変だなと言いながらも、思いつくままにいろいろな色彩名をいれてみた。すると黄(yellow)なら上下・左右ともピッタリすることが分かったのである。


しかし太陽の色が黄色とは、どう考えても変だということで、さっそくアメリカ人の知人に電話をかけてみた。すると誰もが、黄色に決まっているじゃないか、どうしそんな馬鹿なことを、わざわざ聞くのかといった調子なので、本当に驚いてしまった。


日本人である私たち二人の心の中には、小さな子供の頃から《白地に赤く、日の丸染めて、ああ美しや、日本の旗は。。。》の「日の丸」の歌をはじめ、白い御飯の真中に赤い梅干し一つの日の丸弁当、そして小さな子供たちの描く太陽の絵はみんな赤いクレヨンの丸だったことなどすべてが、太陽は赤いものという確信を育てていたのだ。それが黄色だなんて、それじゃ月じゃないか、というのが私たちの率直な反応だったのである。

「太陽の色」というこの鈴木孝夫氏が挙げた例と同じように、僕たち3人が同じ日本に住んでいても、同じ日本について書いていても、「太陽」という当たり前なことが、自分の言語により、自分の文化により、自分の歴史により違って見える。「The colour of the sun」というこのブログでは、この違って見えることをできるだけ読者に伝えようとする。

もし「The blogger formerly known as 塩」の読者がまだいたら、ぜひぜひ「The colour of the sun」を読んで見てください!